開催趣旨
桜島では、明治以降、日本で唯一の大規模噴火である大正大噴火(1914、大正3年1月12日)が発生したほか、1955(昭和30)年10月以来、南岳山頂火口が長期間にわたって活発な噴火活動を続け、火山噴出物や爆発時の空振、二次災害としての土石流などにより各方面に被害を及ぼしてきた。さらに、南岳の東山腹8合目に位置する昭和火口が、2006(平成18)年6月に58年ぶりとなる噴火活動を再開。2015(平成27)年8月には、気象庁の噴火警戒レベル導入以降、初めてとなるレベル4が発表されている。
このように長期間にわたって火山災害に向き合ってきた桜島周辺地域では、鹿児島市を中心に周辺 地域・関係機関とともに、1971(昭和46)年より、火山に関する防災訓練を全国に先駆けて実施してきたほか、1977(昭和52)年より、国や県への要望活動を実施し、観測体制整備や火山砂防事業が推進されてきた。
また大正大噴火以降100年が経過し、桜島北部に位置する姶良カルデラには、大正噴火当時のおよそ9割に及ぶマグマが蓄積してきたことが推定されていることから、避難計画の充実や、長期避難対策の策定、大量の軽石・火山灰対策の検討など、関係機関が連携し、防災対策の精度・効果の向上も図られてきた。
南岳山頂火口や昭和火口の噴火活動は日常化しており、膨大な火山噴出物が火口を中心に堆積しているものの、長年にわたる砂防事業の効果もあり、降雨による土砂災害や長期にわたる交通途絶等が発生していないことも特筆される。
このように実際の火山活動に則して改善されてきた桜島周辺地域における各種の取組は、現在の日本における唯一のものであり、火山砂防事業、火山防災の最先端にあるものと言える。
桜島の活発な活動が継続する中、鹿児島県鹿児島市を会場として開催される2018火山砂防フォーラムは、明治維新150年を契機に、桜島周辺地域の各種取組の唯一性・先進性を鑑み、従来の開催とは一線を画し、桜島周辺地域における取組を、火山のめぐみを含め、広く全国の火山地域及び火山防災関係機関への共有を図るとともに、全国の火山地域首長、防災担当者との課題共有・意見交換を図り桜島周辺地域の火山防災体制はもとより、全国の火山防災力の向上、火山との共生に資することを目的として開催する。
開催テーマ
火山を知り、火山とともに生きる
~活ける火山との共生を図る地域に学ぶ~
開催日程
プログラム | 日程 | 場所 |
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フォーラム | 平成 30 年 11 月 1 日(木) 午後 | 鹿児島市民文化ホール 第1ホール |
現地研修会 | 平成 30 年 11 月 2 日(金) 午前コース、終日コース | 桜島周辺 関係行政機関の火山防災や火山のめぐみに係る取組の紹介 |
参加費
全国の火山防災行政機関のみ、フォーラムは鹿児島市周辺一般住民には無料開放
プログラム | 参加費 | 場所 |
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フォーラム | 3000円 | 鹿児島市民文化ホール 第1ホール |
意見交換会 | 5000円 | サンロイヤルホテル |
現地研修会 | 火山防災見学午前コース 5000円 砂防事業見学午前コース 5000円 火山防災・砂防事業見学終日コース 5500円 |
桜島島内の火山防災施設及び砂防施設等 終日コースの昼食は手配のみ、各自現地払い(1000円程度) ※各コースの行程は本ホームページのプログラムページを参照願います。 |
主催
火山砂防フォーラム委員会(委員長:鹿児島市長 森 博幸)
共催
桜島火山防災協議会
後援
国土交通省、内閣府、気象庁、鹿児島県
協賛
(一社)全国治水砂防協会、(公社)砂防学会、(一財)砂防・地すべり技術センター、 (一財)砂防フロンティア整備推進機構、
(一社)国際砂防協会、(NPO)土砂災害防止広報センター (NPO)防災情報研究所